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英会話学校で誕生日

みなさんこんにちは!

 

サンタ営業講師の得能です。

 

今日もお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

1994年2月

 

経理マネージャー候補として

 

米国ロサンゼルスに赴任したわけですが

 

英語力ほぼゼロ、経理なんてやったことない私は

 

教育担当、上司でもある

 

駐在員の吉田さんから

 

相当ダメ出しをされ

 

自尊心を傷つけられます。

 

 

 

英語ができないというのは

 

自分の思いを相手に伝えられないということです。

 

まるで言葉を知らない赤ん坊です。

 

 

 

まず4カ月、ロスの本社にて

 

米国7つのゴルフ場の管理に関わるわけですが

 

仕事よりも、まず生活面で自分の身の回りのことを

 

ちゃんとできるか?

 

そこからなんですね。

 

 

 

経理の吉田さんが

 

「得ちゃん、英語まったくダメみたいね。

 

英会話学校を手配するよ。力つけて。」

 

会社負担で英会話学校に行かせてもらうことになりました。

 

 

 

もう、25年以上前の話ではありますが

 

その英会話学校で、とても印象に残る話をしたいと思います。

 

 

 

私の誕生日は3月23日なんですね。

 

これまで27年生きてきて

 

誕生日だからと言って特別にお誕生会してもらった

 

楽しい記憶はありません。実家でも誕生日はスルーでした。

 

 

 

誕生日前に英会話学校にいったら

 

「ヘーイ!トクノ~、誕生日おめでとう!」

 

「えっ、何で知ってるの?」

 

授業を始める前にその日いた生徒さんや先生方が

 

誕生日ケーキを用意して

 

私の登場を待っていてくれたのでした。

 

お決まりの誕生日の歌を歌ってくれて

 

ケーキのろうそくを私が消します。

 

食べてみたらバターケーキ

 

生クリームではありません。

 

味なんかどうでもいい、このお祝いしてくれる気持ちがうれしい。

 

いままで生きてきて、最高のサプライズでした。

 

 

 

うれしくて涙出そうでした。

 

なんてアメリカ人は素晴らしいんだ、やさしいのだ

 

 

 

仕事がさっぱり面白くなく、自信をなくしているところだったので

 

ついこの間、日本から来た、ろくにコミュニケーションもできない

 

若者をやさしく迎えてくれる

 

なんて温かい人たちなんだ。

 

 

 

 

 

アメリカに来てよかったな~

 

心からそう思えたひとときでした。

 

 

 

 

 

感極まったところで校長先生が私のそばにやってきました。

 

「やあ、トクノ、誕生日おめでとう!」

 

そして小さな声で

 

耳元で

 

 

 

 

 

「10ドル・・・。」

 

 

 

「エ~ッ お金いるの?」

 

 

 

「いろいろ経費かかるんだ」

 

 

 

(つづく)